2011年12月24日土曜日

嬉しい、岡田の中国進出

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日本サッカーの前代表監督だった岡田武史氏(55)が、今月15日、中国の杭州緑城足球倶楽部の監督に就任する契約をした。Jリーグで優勝経験のある日本人監督が海外のプロチームで指揮を執るのは、岡田氏が初めてだ。期間は来年1月からシーズンが終わる11月まで。

杭州緑城は、今シーズン、アジアチャンピオンズリーグ(ACL)に初出場したものの、1次リーグで敗退。国内1部リーグ(中国サッカー・スパーリーグ)では、16チーム中8位の成績だった。

岡田氏は、日本の代表監督としてワールドカップ(W杯)で2回指揮を執った。1回目の1998年フランス大会では、本戦のグループリーグで1勝1敗1分、勝ち点4で決勝トーナメント進出を狙うとしていたが、3戦全敗で敗退。

2回目の2010年南アフリカ大会では、ベスト4を目標にしていた。本戦では、日本サッカー史上初のベスト8進出をかけたパラグアイ代表との決勝トーナメント1回戦は、90分では決着つかず、延長戦でも決着つかず、0-0のままPK戦に突入。結果、3-5で敗北した。目標は叶わなかったが、海外で開かれたW杯で、初めて決勝進出に導いた。ベスト16位だった。

Jリーグの監督としては、2003年から横浜F・マリノスをリーグ2連覇に導いた。その前には、1999年J2に降格したコンサドーレ札幌に就任。1年目は5位に終わったが、2年目にはJ1に復帰、翌年はJ1で11位で残留、そして退任した。

これだけの実績を引っさげての”岡田の中国進出”だ。

今や、経済でもスポーツでも、何でもかんでも、強大国中国だ。岡田氏の狙いは、Jリーグでの競り合いで右往左往するよりも、しがらみのない新天地で、アジアや世界に、新興国中国の旋風を吹かせたいと思ったのだろう。海外での最初の腕試しの場としては、一番最適だと判断したのだ。中国サッカーのフィジカル、技術もレベルは相当なものだと聞く。資金も鱈腹持っていて、今後容赦なく選手を集めるのだろうか。これァ、日本も兜の紐を締め直さなくては、イカン。

是非、ACLでJリーグのチームと競い合って欲しい。杭州緑城の幹部は岡田氏に選手を育ててもらいたいと話している。

私は、この岡田氏の中国進出を嬉しく思う。日本サッカー界にもいい刺激になることは明白だ。

それに、嬉しいこと序(つい)でに追記しておかなくてはならないことが、先日の新聞報道で知った。

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元日本代表主将で、J1神戸のDF宮本恒靖氏(34)が19日、神戸市内で現役引退の記者会見を開き、その席上、今後欧州でFIFAが運営しているスポーツ学に関する大学院で学びながら、欧州の指導者資格取得も見据える、と話した。FIFAマスターとは「スポーツに関する組織論、歴史・哲学、法律についての国際修士」のことだ。

この男は、日本代表ではU-17からA代表に至るまで全てのカテゴリでキャップテンを務めてきた、並みの男ではない。宮本の将来にも注目したい。私はかって、デフェンダーだったからかもしれないが、正直、A代表だったときの宮本のプレーについては、常にハラハラドキドキ、全幅の信頼をしていなかった。いっつも不安だった。それでも、彼はよく頑張っていた。

日本のサッカー選手が海外で活躍しているのを見るに、嬉しくって堪らない。それに加えて今度は、指導者として活躍の場を世界に求めていこうとする彼らを頼もしく感じる。

岡田武史氏や宮本恒靖氏のように、新たな分野に足を踏み入れようとしている人たちが居てこそ、優秀な人材が育つのだ。後進のためにも頑張って欲しい。