鎌倉の鶴岡八幡宮への初詣を終えて自宅に戻った。缶ビールを飲んで焼酎を何杯か飲んで、寝て目が覚めた。年は家に戻る前から変わっている。酒の酔いが冷め切らないまま、ようく確認したら、今日は正月の1月1日の元旦なんだ、その10:30だ。
布団の中でまどろみながら、今年最初の日の朝食は、どうしても雑煮でなければならない、と考えた。ようし、雑煮を作るぞと意気込んだ。が、毎年正月に用意されたものを食することはあっても、具体的に、自ら作るということになると、何をどうすればいいのか、咄嗟には思いつかず、じっくり整理しながら考えた。年末に特別な食事の準備はしていなかった。
鎌倉からの帰途、空は曇っていたが、今、朝陽が部屋の奥まで差している。
サントリー ザ・プレミアム モルツ黒ビールのプルトップを開けた。新年を祝って、会社のスタッフに、会社を支えてくれている皆さんに、先輩後輩友人たちに、それぞれの家族に、そして私自身にも乾杯!! 格別、うまい。
明けまして、おめでとうございます。今年もよろしく。声を出さずに大きく吼(ほ)えた。
調理を前に風呂に入って、湯上りに、スポーツウエアーの上にセーターを、その上に母校のサッカー部のユニフォームを着た。気合を入れたのだ。これ、私のいざというときの儀式だ。それから、ちゃちゃん、ちゃちゃん、ちゃちゃちゃあ~ん、ちゃ ちゃ ちゃん ちゃ~ 母校の校歌を口ずさんだ。
さて、冷蔵庫の中の在庫は? 倉庫にしているパイプスペースの中には何があったか? スープは各地で色々あるようだが、私が育った田舎(京都府宇治田原町)では白味噌仕立てだ? 味付けはいつも使っている昆布とかつおのだしの素で大丈夫だ。
主たる具は根菜だなあ、じゃが芋、人参、里芋、大根はある。早速、カレーのときのようにカットして鍋に入れた。暮れに使わなかった鱈(たら)の切れ身も入れた。牛蒡(ごぼう)があったのに見逃した。水を入れて煮出したが、この作業を始めてから、どうしても気になってしょうがないことは、汁(つゆ)をどうするかだった。取り掛かった時は、漠然と澄まし汁をイメージしたが、白味噌がちらちらして納得できない。雑煮を正月に作るなんて、予定になかったから白味噌は買ってない。だからといって、代用に普通の合わせ味噌を使うと、ありふれた味噌汁になりかねない。
白い汁のイメージから豆乳を思いついた。料理を一休みにして、豆乳を近くのスーパーで買ってきた。煮上がってきた鍋を覗いて物足りなさを感じたので、明日の晩飯用のおでんから、さつま揚げとがんもどき、はんぺんを適当に取り出して加えた。そこに焼き豆腐も入れて、牛乳も少し入れた。
塩とだし、豆乳を入れて加熱。切り餅を入れて電源を切った。豆乳は煮込むと分解してしまう。見た目は、立派な白味噌仕立ての雑煮のようだ。味は抜群、味付けは手馴れているんだ。
どうでしょう、私のお雑煮は?
ご飯は生家から送られてきた玄米だ。
写真を撮っておけばよかったが、失念した。見た目は、酒粕(さけかす)汁のようでもあった。
白味噌お雑煮をお分かりにならない方のために、京都・九重味噌製造さんのネット広告の「白味噌お雑煮」を拝借しました。白味噌を購入の際には、是非、九重味噌製造さんのものをお買い求めください。