2012年8月1日水曜日

差別つぶやき

20120726の朝日・朝刊・社会で、ロンドン五輪の陸上女子三段跳びに出場する予定だったギリシャのボウラ・パパクリストウ選手(23)が、ツイッターで人種差別的なつぶやきをしたとして、ギリシャ五輪委は「オリンピックムーブメント(五輪運動)の理想にに反する発言をしたため、代表から外すことを決めた」との記事を見つけた。ソーシャルメディアによる発言で罰せられた最初の選手だ。

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AP通信によると、パパクリストウ選手は、アフリカからの移民をからかい、極右政党への支持を表明するようなつぶやきをしたという。

記事は小さな扱いだが、その意味は大きい。

国を代表して五輪に出場する資格を得るには大変なことだ。選ばれた選手は、猛烈なトレーニングを重ねての研鑽の日々、そうして並み居るライバルたちと激しく競って資格を得たのだろう、が、パパクリストウ選手から出場資格を取り消したことは、原因となった差別発言がいかに重要かと言うことだ。

五輪は、今じゃ五つの大陸?なんて観念は薄れ、世界の隅々までの国や地域が参加する、世界丸ごと大会だ。参加国・地域数は204。かって、女子の参加は認められていなかった時代はあったが、2012今回のロンドン五輪は女子の参加競技も増えたこともあって、史上初めて全ての参加国・地域から女子の参加があった。

クーベルタン男爵は、さまざまな民族同士が切り離している諸々の偏見を乗り越えるまで、平和を手に入れることはできない。個人の自由を尊重すること、すぐれた意思と肉体を持つ人間を育てることだと言った。スポーツ選手は記録を出す前に、より賢明で、よりスマートであらねばならない。そしてフェアプレイに徹する。

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wikipediaより拝借 ピエール・ド・クーベルタン

近代オリンピックの父・クーベルタンの言葉より、「自己を知る、自己を律する、自己に打ち克つ、これこそがアスリートの義務であり、最も大切なことである」。

 

話は変わるが、先のサッカー欧州選手権の決勝戦で両チームがスタジアムに入場する際、彼らを先導した青いフラッグには、「RESPECT DIVERSITY」(リスペクト ダイバーシティー)と書かれていた。他者の多様性を尊重しよう、ということだ。スポーツの世界において懸命に取り組んでいる問題だ 。私が考えている以上に荒廃している現状があるのだろう。 

人種、性別、宗教、言語、あらゆる違いをポジティブにとらえて「違うから排除する」のではなく、「違いこそが新しい何かを生む」と日本サッカー協会特任理事の野田朱美氏が述べていたことを朝日新聞の記事で知った。

 

★オリンピックムーブメント(五輪運動)

★オリンピズム