20120924 今日は私の64歳の誕生日だ。
先日、山田農園主から頂いた冬瓜(トウガン)を、どのように料理すればいいのか悩んでいた。冬まで保存がきくので冬瓜と言われているらしい、それなら、まあ、いいか!と食料棚にしまったままにして置いたが、流石に何とかしなくちゃイカンと、ネットで冬瓜の料理レシビを見た。
杏仁美友(きょうにん・みゆ)さんのコーナーに着目した。
冬瓜は利尿、解毒。美白に効果のあるすぐれた野菜だと紹介されていた。今の私の健康状態は、オシッコはちゃんと出るし、解毒作用が低下しているとも思えない、美白は必要ないが、これだけいいことが書かれていれば、嬉しくなる。中国では生薬だ。誰だって、急に体の調子が悪くなることだってある。野菜に感謝、野菜の神様に感謝。得(とく)をしたような気分だ。
冬瓜の果肉はあんかけに、果皮はきんぴらに、ワタは味噌汁にと、捨てるところがないと書かれていた。このときに見た、「果皮はきんぴらに」の文節が頭に残った。
根っこをきんぴらにするとおいしい山形赤根ホウレンソウ
そして昨日のこと、日経新聞・文化欄で写真家の東海林晴哉氏が「野菜の味な姿 撮ったぞ」(山形・庄内の在来種を写真に、けなげさ守りたい」で、山形赤根ホウレンソウ、上山市の金谷ゴボウ、鶴岡市小真木の大滝ニンジン、月山山麓、櫛引地区の宝谷カブやその他の野菜を写真に撮って、野菜の歴史や文化をかみしめ生産者の喜びや苦労を伝えたい、という記事のなかでも、きんぴらがでてきた。
少し本題から脱線するが、前の写真家の東海林晴哉氏の苗字の読み方は「トウカイリン」さんで、「赤城の子守唄」の歌手・東海林太郎さんは「ショウジ」さんだった。子どもの頃、なんで東海林がショウジと読むのか不思議だった。
今日も10時ころから、夕方6時まで、経営責任者の中さんと二人は、スタッフが仕入れを検討中の中古住宅を見て回った。横浜港南区、鎌倉、茅ヶ崎、藤沢、大和を過ぎて横浜青葉区、川崎市麻生区だ。
中さんは、効率よくコースを選んで運転をする。物件ごとにあらゆる面から分析をする。互いの意見を交換する。中さんにはスタッフから、何かと相談の電話や決裁を求めてくる。
私は後部座席で、物件のことについてはそれなりのコメントをするが、道路網も不案内なので、ほとんどの時間を、新聞を読んだり居眠りをさせてもらっている。ぼけっと思いにふける。
そんな車中、無為無聊(ぶりょう)の私は「中さんよ、きんぴらゴボウのきんぴらと言うのは、なんや?」と話しかけた。私はメニューの名称の一つとしてきんぴらゴボウしか知らなかったのだが、話していて、どうもきんぴらとは料理方法のことらしいと気づいた。ゴボウをきんぴらにするからきんぴらゴボウだ。
きんぴらとは、材料を細く切って、醤油と砂糖や日本酒を入れて炒めることだと知った。材料には、ゴボウ、ニンジン、レンコンなどの根菜が一般的。鷹の爪や胡麻なども混ぜる。きんぴらゴボウは私の大好物の一つだが、他のきんぴらは食ったことがなかった。
それなら「きんぴら」の語源は? 中さんは得意のスマホで、語源由来辞典を調べてくれた。
元は、江戸時代に人気のあった「金平浄瑠璃」の登場人物の坂田金平(きんぴら)にあると言われている。金平は足柄山の金太郎として有名な坂田金時の息子。金平は親譲りの剛勇無双だった、それで強いものの例えに使われるようになった。金平糊とか金平足袋などとしても使われている。
そしたら、ヤマオカさん、ヤクザのチンピラはきんぴらからきてるんですかね、と中さんが言い出した。
すかさず、スマホで調べたが、この二つの言葉の関係を知るヒントは得られなかったが、中さんが言い出したことは、それなりに当を得ているように思われるが、いかがかな?
きんぴらは強いもの、丈夫なもの、立派なものに例えられ、チンピラは一人前でもないのに大人ぶったり、大物を気取って大きな口をきいたりする者を軽蔑した言葉だ。