20121022朝日・スポーツ
大リーグ挑戦を表明した花巻東の大谷翔平投手(左)。右は父親の徹さん=日吉健吾撮影
私立花巻東高校(岩手県)の大谷翔平投手が、両親や同校の佐々木監督の反対を押し切って、「自分の気持ち」として米大リーグに挑戦する意向を表明した。
日本のドラフトの目玉と注目されている大谷が日本のプロ野球に一歩も踏み入れることなく、アメリカに新天地を求めると重い決断をした。
高卒の日本選手がすぐにメジャーで活躍できるほど、米大リーグはそう甘くはない。それでも大谷のタフな決意を尊重したい。応援したい。米の入団する球団が決まれば、その球団はこの原石を丁寧に大事に育てて欲しいもんだ。
20121021の朝日新聞・スポ-ツの記事を転載させてもらった
今夏、全国高校野球選手権岩手大会で、高校生史上最速の球速160キロを記録した花巻東の大谷翔平投手(18)が20121021に、大リーグに挑戦することを表明した。ドラフト会議で指名されるかは12球団の判断次第。日本プロ野球の野球協約に基づき、指名が確定した球団には、来年3月31日まで交渉権が与えられる。一方、日米間では双方のドラフト対象選手の獲得は自粛されている。ただ、これは「紳士協定」で日本球団が交渉権を持っている間に、米球団と契約してもルール違反にはならない。
ところが、やっぱり、日本のプロ野球貧困村には、可笑しな狐や狸がうろうろしている。
今までの経験では、このようなことがあると、必ずあのナベツネなるぽんぽこ狸の大ボスが何かを言い出すのだが、今はかっての部下の子狸と係争中、発言は控えていると思っていたら、やはり同じ穴の狢(むじな)、巨人軍・桃井恒和球団社長が次のように語った。「日本プロ野球の一員として、危機感を感じている。社会人の田沢君(現・レッドソックス)の場合とは違って、高校生でしょ。プロ野球が空洞化していく。田沢君の時に決めたルールが、本当にそれでいいのかどうか、もう一度議論すべきではないだろうか」と、20121022の朝日新聞・スポーツにあった。何を議論するというのだ?
今度は狐たちが隣村から現れて、別の何かを言い出すのだろう。
この桃井社長の発言には、大谷本人の心中を微塵も考えていない。大谷はこんな料簡の狭い日本の球界が嫌になったのだ。唯、ひたすら日本のプロ野球の興行に関することだけ、商売上のことしか考えてない、こんな連中らにはスポーツは文化だということを、これぽっちも解っていない。文化は限りなく華開くのだ。未だにこのような球団経営者がいることを悲しむ。日本サッカー協会は、選手の海外進出を勧奨しながらも、Jリーグの各チームと調整の努力をしている。サッカー力(ちから)の底上げのために。
ここは、大谷選手のチャレンジにエールを送ろうではないか。
2008年、ケツの穴の小さい日本野球機構が、若くて人気の逸材が日本からの流出を抑止するために愚策を案出した。こんなことを真剣に考えること自体、可笑しな話なんだが。
新日本石油ENEOSの田沢純一が大リーグ挑戦を表明して、ドラフト会議では指名しないことを要求した。田沢の決意の固さを判断してどの球団も指名しなかった。ここで、野球機構はドラフトを拒否して外国球団と契約した選手は、帰国後、高校生は3年間、大学・社会人は2年間、日本の球団とは契約できない、と内規した。
めそめそ日本に帰ってきても、そう簡単にプロでは野球できないよ、と嫌がらせだ。見苦しい。
ここに至って、又、野球機構は次の手を考えようというのか。