2012年10月4日木曜日

紫蘇焼酎の旬は終わった

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先週の水曜日、山田農園で農作業の帰り際、農園の隅っこに残っていた紫蘇を鷲掴みにして持ち帰った。紫蘇の濃縮ジュースを作って、安物の焼酎を割って飲むためだ。今夏、覚えた貧乏人の生活の知恵だ。

だが、この時期の紫蘇からは今までのような豊かなジュースは作れなかった。採取した紫蘇は豊潤な夏物のとは違って、干乾びていた。農園主は、どうかねえと、期待していなかったようだが、負けん気の強い私は、実からも、今までとは異なる味わいが楽しめるんではないかと、素直じゃなかった。

でも、結果は悲しいものだった。味が薄く、パサパサ、ピシッとこない。農園主はメールで確認してきたが、やはり、貴方の言う通りだったと報告した。

どんな時も、こんなことぐらいでくたばる私ではない。

安物の焼酎があって、それを唯のお湯割で飲むことに、もう私は満足できなくなってしまっていた。美味いものを知ってしまった後遺症か。

考えた。

台所の食料棚を見渡してそこらにあるものを、焼酎割りに使えないかと試みてみた。

先ずはトロロ昆布だ。

昆布を酢に漬けて軟らかくしたものを薄く削ったものだ。これを焼酎のお湯割りに入れてみた。樽貯蔵酒を3%も加えているとのサントリー酒類株式会社の意気込みは解るけれど、でもやっぱり、ただの焼酎甲類だ。それでも磯の香りとミネラル?が加わって味わいは悪くなかった。2杯飲んだ。鱶鰭(ふかひれ)酒が懐かしいと、頭の隅っこを過(よ)ぎった。

次は「あおさ」だ。

潮の満ち引きのある浅い海の岩などに生えている、あの→あおさだ。弊社の経営責任者の中さんから、うちではお好み焼きなどに使うのに、青海苔は高いのであおさを使っているんですよと聞かされていたので、我が家も同じように鞍替えした。私の手元にあるあおさの入っている袋には、えび、かにの生息する海域で採取したものだと強調している。あおさには、何処にでも生えているという安っぽいイメージが付きまとっているのだろうか。これも、いける。2杯、満杯で飲んだ。

此の夜5杯目の焼酎のお湯割りに入れるのは、「野沢菜わかめ」だ。

これは先日、大学のかって40余年前の同窓生と東日本大震災の被災地を巡ってきた時にドライブインで、友人が私のために買ってくれたものだ。私が彼の新妻に喜多方ラーメンを買ったお返しだった。ご飯にふりかけたり、お握りに入れたり、チャーハンの具などにご利用ください、高原の新鮮な空気と清らかな水に育てられた野沢菜、ミネラルの海に育ったわかめを原料にしましたと説明書にあった。野沢菜もわかめも少し硬そうだったので、お湯は熱くして、少し時間をおいてから飲んだ。3杯飲んだ。これも悪くはない。

文字通りの酔興な人間になってしまったようだ。

こんな具合にして、今夜は凌(しの)げたが、明日の夜はどうしようか?