2012年10月10日水曜日

PC遠隔操作で殺人予告

そんな馬鹿なことがあって堪(たま)るか、と思う。

第三者のPCを遠隔操作してネット上に無差別殺人予告をしたというニュースだ。コンピューターの知識は疎く、新聞をよく読んでやっと理解できたけれど、こんなことが現実に起こり得る、嫌な渡世だ。

これも世情の一つとして目を瞑(つむ)るわけにはいかない。20121008の朝日新聞の1面と31面の記事の一部をそのまま転載させてもらった。

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1面

ネットで無差別殺人予告

第三者PC遠隔操作

大阪市のホームページやインターネットの掲示板に無差別殺人などを予告する書き込みが7~9月にあり、威力業務妨害容疑で逮捕された2人が利用した個人パソコンがウイルスに感染し、遠隔操作できる状態だったことが警察当局への取材でわかった。何者かがウイルスを送り込み、書き込んだ可能性も出てきたため、2人は釈放された。

大阪・三重 逮捕の2人釈放

2人は大阪府吹田市のアニメ演出家・北村真咲(まさき)被告(43)=偽計業務妨害罪で起訴=と、津市白山町の無職の男性(28)。それぞれ大阪府警と三重県警に逮捕されたが、一貫して容疑を否認していた。警察庁は全国の警察本部に注意を促すとともに、このウイルスの情報を民間のウイルス対策ソフト開発者に提供した。

府警1課によると、大阪市のHPにある市民の声を募るコーナーに7月29日、「来週の日曜に大量殺人する。歩行者天国にトラックで突っ込んで無差別にひきまくる」などと書き込みがあった。同課は、ネット上の住所にあたる「IPアドレス」などの捜査から、アニメ演出家のパソコンが発信元と特定した。任意捜査の段階で遠隔操作の有無も調べたが、確認できなかったという。

一方、津市の男性は9月10日に、ネット掲示板「2ちゃんねる」に「伊勢神宮を爆破する」などと複数回書き込んだ疑いがもたれた。三重県警によると、IPアドレスが男性のパソコンと一致したという。

大阪府警は、演出家が起訴された後の9月中旬、三重県警と情報交換を開始。津市の男性のパソコンが新種ウイルスに感染し、遠隔操作で書き込める状態になっていたことが判明したという。府警は演出家のパソコンも同一のウイルスに感染していた痕跡を確認。しかし、ウイルスに感染させるファイルは消えていた。ファイルを自動削除する機能も備えていたという。

府警は何者かが演出家になりすまして書き込んだ疑いがあるとして、不正指令電磁的記録作成や同供用容疑で感染経路を調べる。

 

31面

ウイルスPC 乗っ取り

第三者遠隔操作 本人知らぬまま

ウイルス感染したPCが外部からの遠隔操作で動き、攻撃の中継点にされた可能性が高いとみる。こうしたPCは「踏み台」といわれ、犯罪グループなどが不正アクセスやサイバー攻撃を行う際、発信元を突き止められないように悪用する。

踏み台は、第三者にメールの読み書きやネット閲覧など「何でもされてしまう」が、PC所有者は普段通りに使え、見た目の変化もない。だが裏ではウイルスを送り込んだ第三者に「御用聞き」のように指示がないかを、頻繁に問い合わせているという。第三者側は、踏み台の画面が映し出された手元のPCで操作。その情報が踏み台に送られる仕組みだ。

こうした遠隔操作ソフトは、PC管理ソフトという触れ込みで中国語のサイトなどで売られ、踏み台に入っているソフトをウイルス化する機能まであるという。専門家でも感染に気づくのは難しい。メールの添付ファイルや、怪しいホームページにアクセスしないなどの自衛手段をとるしかない。

所有者が気づかないうちにPC遠隔操作するウイルスは「ボット:と呼ばれる。ボットを含め新たなウイルスは世界で1日12万~20万種類が作られるが、対策ソフトなどで駆逐できるのは、このうち1千~2千種類にとどまるといわれている。