2013年4月4日木曜日

国民栄誉賞って?

政府は20130401、元巨人監督の長嶋茂雄(77)と巨人や米大リーグのヤンキースで活躍した松井秀喜(38)の師弟のコンビを、プロ野球の発展に貢献したとして二人に国民栄誉賞を授与することを決めた。

長嶋は、国民的スーパースターとして「ミスタープロ野球」と呼ばれ、今でもその存在は燦然(さんぜん)。プロ野球が好きになれない、特に巨人嫌いの私だけれど、王貞治、長嶋のことだけは関心を持ち続けた。長嶋には後光が射している、オーラを感じる、華があると表現されてきた。その通りだと思う。頭をひねってもひねりきれない数々の長嶋語録も、彼でなければただのアホの迷言として済まされるところが、敬意を持って扱われる。特別な人なのだ。偶然観ていたテレビの特番だったと思うが、魚の鯖(さば)のことを、う~ん、魚(うお)偏(へん)にブルーだっけ? とのコメントには腰を抜かした。

多くの国民が、王に国民栄誉賞が授与されてから、今度は長嶋だと思案しながら、何故長嶋がもらえないのかと批判を強め、いつもらえるのかと期待した。今回のやっとの受賞で溜飲を下げた長嶋ファンは多かっただろう。私もその一人、素直に祝福したい。

だが、松井の受賞についてはどうだろう。選手としての実績だけでは、米大リーグでのワールドシリーズでのMVPを獲得したことの評価が高いのは理解できるけれど、たかだかワールドシリーズだけのことではないか。シーズンを通してはさほど目立った活躍ではない。野茂英雄やイチロー(かって、受賞の打診があったが拒否した)に比べれは、そのインパクトは弱い。日本での活躍にしても、名球会入りさえ拒んでいる落合博満には遠くに及ばない。まあ、こんなことを言い出せば切りがないが。

最近の2011なでしこジャパンや2012吉田沙保里、2013大鵬の受賞にも、色々賛否はあったけれど、私は納得している。今までのスポーツ関係の受賞は、1977王、1984山下泰裕、1987衣笠祥雄、1989千代の富士、2000高橋尚子。くどく言うことを許してもらえるならば、先の受賞者と比べると、今回の松井の受賞は見劣りすることは否めない。だが、そのような判断は私の個人的なものだ。

国民栄誉賞の受賞者の選定も、受賞者を諸賢各氏が自分勝手に批判するのも、要は時の政権や個人の好き好きの問題だ。元々、そういう性格の賞なのだ。人気取りの安倍政権の仕掛けか、腹黒い超自分勝手なナベツネの策略か、なんて思惑してもしょうがない。

こんなことを考えて、当の本人、松井自身は今回の受賞をどのように考えているのだろうかと思っていた。同時に受賞する師と仰ぐ長嶋の残した個人記録と自分を比較して、余りにも差があり過ぎだ。

スポーツ報知に松井の賢明なコメントを読んで安心した。彼の人柄が愛される所以(ゆえん)だ。偉大とは言えないまでも、尊敬される優秀なプレーヤーだったことは間違いない。

「ただただ恐縮しております。長嶋監督の受賞は日本中の方々が納得されると思いますが、私は監督に愛情を注いでいただき、20年間プレーすることができました。ですから、この賞もひとえに監督のおかげです。正直、現時点で自分が頂いてもいいのか、という迷いもありますが、今後、数十年の時間をかけて、この賞を頂いても失礼ではなかったと証明できるよう、これからも努力していきたいと思います」

 

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◆長嶋 茂雄=千葉・現佐倉高から立教大を経て1958年に巨人入り。天覧試合での劇的なサヨナラ本塁打などで勝負強さを発揮し「燃える男」の異名を取った。ソフトバンク球団会長の王貞治氏との「ONコンビ」で巨人の9年連続日本シリーズ制覇に貢献し「ミスタープロ野球」と呼ばれた。17年間で首位打者6度、本塁打王2度、打点王5度。セ・リーグ最優秀選手(MVP)にも5度選ばれた。巨人の監督も通算15シーズン務めリーグ優勝5度、日本一2度。77歳。

 

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◆松井 秀喜=石川・星稜高から93年にドラフト1位で巨人に入団。右投左打の外野手として活躍し、10年間で首位打者1度、本塁打王3度、打点王3度を獲得。セ・リーグ最優秀選手(MVP)に3度選ばれた。「ゴジラ」の愛称で幅広いファン層に支持された。03年に米大リーグ、ヤンキースに移籍し、09年のワールドシリーズでは3本塁打を放って日本選手初のMVPに輝いた。10年はエンゼルス、11年はアスレチックスでプレー。12年はレイズでプレーし、12月に現役引退を表明した。38歳。