水曜日は、弊社の営業部の定休日です。私は会社に出社するもののできるだけ午前中に仕事を片付けて、午後は読書、ブログの書き込み、イーハトーブ果樹園の手入れ、時には映画やお芝居を観に行くことで、定休日を大いに活用しているのです。
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ところが、半年前から水曜日の夕方5時には、孫・晴を保育園に迎えに行くようになった。晴は幼稚園の年長組さんなのですが、幼稚園の時間が終われば保育園に移動して、そこで私の迎えを待って居るのです。晴の両親は共稼ぎなのです。幼稚園と保育園が道を挟んでいて、一体で運営されている。一度、何か晴の父親・竹チャンの都合がつかなくて、代わりに迎えに行くように頼まれて、そしたら晴が非常に喜んでくれて、私も有頂天になって、そのまま水曜日には私が迎えに行く習慣になってしまった。
私が迎えに行くと、保母さんが晴の名前を呼んで、おじいちゃんが迎えに来てくれたよと声を掛ける。ニタッと微笑みながら帰りの準備に入るのです。私は、保母さんに向かって深深(ふかぶか)と頭を下げて日頃のお世話に感謝の言葉を述べる。
それからが楽しいのです。晴は徐(おもむろ)に、帰宅の準備を整えながら何かを考えているような顔つきで私のところにやって来る。帰り荷物を保母さんが確認する。靴を履いて、ランドセルを背負う。私は、晴が友人や先生達にきちんと挨拶することを見届ける。挨拶にはうるさいジジイなのです。
保育室を出た晴は、遊び道具入れの所へ入って、サッカーボールを持ってくる。それからが私と晴のサッカー練習なのです。一番最初の時は、否応なし、相談なし、意向、都合は聞かないで付き合わされた。でも、やりだしたら、これが結構楽しいのです。私が制限時間を決める。時間制限しないと限りないのです。自分からは、絶対やめようと言わないから。ジジイと晴が、キーパー役とシューター役を交代して、それを何回も何回も繰り返すのです。時には激しく晴のキープするボールに強くタックルすると、これが嬉しいらしくて喜んでくれるのです。時には、本気になることも必要らしい。晴は、右足に確実にボールをとらえてインステップキックが上手にできるようになった。体が大きいので、蹴ったボールはそれなりに威力がある。左足も何とか意識しながら蹴っているので、上手く蹴れるようになるのは時間の問題だ。
ジジイとのサッカー練習の最中(さなか)に、保育園の子供達が園庭に遊びに来て、私は怖い思いをしながらボールを蹴っているのですが、晴が蹴ったボールがどういうわけか、上手いこと子供達の頭に当たるのです。度々当たった。ボールが柔らかいから、そう心配はいらないんだが。その度に肝を冷やして、晴にやめようと声を掛けるのですが、その意味をのみ込めない晴を納得させるのは至難の業なのです。顔馴染みになった保母さんたちが、二人の戯れに優しい眼差しで微笑んでくれる。
それでも何とか納得させて自宅に連れて帰っても、晴の頭のサッカー熱はそう簡単には冷めやらぬ。今度は近くの公園まで行って、同じことを繰り返すのです。遊び足りないのだ。体力が余り過ぎ。お陰でジジイにも、昔のサッカー気違いだった頃の、40年から45年前の感覚がささやかながらも蘇ってくるのが不思議だった。これって快感、我ながら凄いと思う。
そんな水曜日の夕方が、私には至福のひとときなのです。この頃、11月のお迎えは4時です。