2011年2月17日木曜日

鳩山氏側からの反論を乞う

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鳩山 由紀夫

鳩山由紀夫氏が首相の座を降りる時に、次回の選挙には出ませんと言った。それを聞いた私は、そりゃそうだろう、この首相の任期中の失政のヤマは、辞めるぐらいのことを言わないと、国民は許してくれないだろう、と思っていた。人様に顔向けできない、まして沖縄県民に対しては、尚更だ。

そしたら舌の根の乾かぬ内に、辞めるどころか、政府の要人として、中国やロシアを訪問して、今後も議員活動を続けると言った。内政の失敗の総括もしないうちに、外交で仕事をしているようなパフォーマンスをやってくれた。民主党の創設者としての矜持だけはお持ちなようだ。

むさ苦しくて、邪魔で、目障りなのに、かっては民主党の党首であり内閣総理大臣であった故に、氏の活動の報道は、並みの議員扱いではない。やはり、記者は否応なしに注目する。扱いも大きくなる。

小沢一郎

そして、昨今、氏は何をほざいているかと言えば、小沢一郎の政治資金規正法の虚偽記載について、当初小沢氏は、国会の場で説明しますと言っていたのですが、その後政治倫理審査会なら、出席します、と言い代え、それから出席する時期が予算国会が始まる前とか、後ならばとか、言を何度も変転させた。最後には、何処にも出席しません、ときたもんだ。先月末、検察の不起訴を覆して検察審査会が起訴議決し、強制起訴された。そして公判が進められる段取りになっている。民主党常任幹事会で、党員資格を判決が確定するまで停止する処分を15日に決めた。

このような民主党内での小沢一郎と執行部のやり取りを、鳩山氏は執行部による小沢一郎イジメだと言い張った。この問題を、いじめ、とか言って憚らない。この男はどこまで狂っているんだろう。

そして、ここにきて「方便」発言だ。米軍普天間飛行場の移転先を、「国外、最低でも県外」を目指すとアピールして政権交代を果たした。が、それは無理なことだと認識して、元通りの辺野古案に回帰した。その際、「学べば学ぶほど」「海兵隊の抑止力を知った」と。そして抑止力という言葉を使用したのは「方便だった」と発言。何も解ってない、アホな首相だ。「国外、最低でも県外」案は、「一笑に付されていた」と言い、外務省や防衛省では全然相手にされなかった、とも言ってのけた。馬鹿か。政府の最高責任者が、何てことだ。民主党の政治主導という掛け声はいいけれど、裸の王様だと笑ってなんかいられない。

決定的なことは、米国に最初から私自身が乗り込んでいくべきだった、と言った。当たり前のことではないか。自ら乗り込むか、代理を送り込みながら電話ででもオバマ大統領と直談判することだって可能だったはずだ。緻密な日常の仕事をサボって、絵空事を公約にしてします、もうアホか馬鹿を通り越して、狂人としか思えない。

民主党の創設者と、軒先を借りて母屋を掻っ攫おうとした者が、2人して民主党を壊そうとしている。壊した方がいい、と思う。党としての目先と将来ビジョンを併せ持たないままに、スタートしてしまった未熟な党だ。

鳩山氏に対する怒りはつのりばかり、さりとて文章にできないもどかしい日々の最中(さなか)に、今朝の朝日新聞は社説で鳩山氏の発言を取り上げてくれた。

鳩山由紀夫さん、今後とも議員活動をなさるなら、この朝日新聞のあなたに対する批判に、答えて欲しいと思うのです。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

20110216

朝日・朝刊

社説/鳩山氏の発言

「方便」とは驚きあきれる

ーーーーーーーーーーー

「最低でも県外」という公約を果たさなかったばかりか、その理由として米海兵隊の抑止力を挙げたのは「方便」に過ぎなかったとは。

沖縄における背信をさらに重ねる行為以外のなにものでもない。

鳩山由紀夫前首相が沖縄タイムスなどに、米軍普天間飛行場の移設問題に対する政権当時の取り組みを語った。

鳩山氏は昨年5月、自公政権が決めた名護市辺野古案に回帰した際、「学べば学ぶにつけ」沖縄に海兵隊が存在することで米軍全体の抑止力が維持できるという思いに至ったと説明した。

しかし、インタービューでは「辺野古に戻らざるを得ない苦しい中で理屈づけをしなければならず、考えあぐねて『抑止力』という言葉を使った」と、後付けの理由であることを認めた。

沖縄県民はすでに県内移設ノーの固い民意を示しているが、今回の鳩山発言で政府への不信を一層深めるだろう。辺野古移設を確認した日米合意の存立を揺るがしかねない事態である。

菅直人首相は基地負担の軽減や経済振興策を通じ、沖縄との信頼関係を築き直したうえで、何とか地元の理解を得たい方針だが、その道のりはさらに険しくなった。

鳩山発言への見解を問われた菅首相は「沖縄の海兵隊を含む在日米軍全体として、我が国の安全、地域の安定に大きな役割を担っている」と繰り返した。このような紋切り型の言葉が沖縄県民の心に届くはずがない。

菅政権が引き続き日米合意の実現を目指すというなら、海兵隊の抑止力や沖縄駐留の必要性について根本から、丁寧に説明し直すことが不可欠だ。

今回、改めて鳩山氏の稚拙な政権運営の実態が浮き彫りとなった。

成算のないまま沖縄県民に期待を抱かせた。政治主導の看板とは裏腹に、外務・防衛両省の壁を突き崩せなかった。首相として関係閣僚を束ねるリーダーシップも発揮できなかった。対米交渉にも本気で当たらなかったーーー。

鳩山氏は、政治家としての言葉の軽さをこれまで繰り返し露呈してきた。氏個人の資質に最大の問題があることは言うまでもない。しかし、そこに民主党政権の抱える構造的な欠陥が凝縮して表れている側面も否定できない。

言いっ放し、やりっ放しではなく、錯綜する利害やもつれ合う議論を解きほぐし、説得し、ものごとをまとめ、決めていく能力の不足である。

菅首相は一連の政治プロセスを深刻に省み、二度と失態を繰り返さないよう教訓をくみ取らなければいけない。

今年前半に予定される訪米時には同盟深化の共同声明も発表される。

菅首相の強調する「日米基軸」を、沖縄に基地負担を強い続ける免罪符にしてはならない。今度こそ本気で沖縄の負担軽減に向き合うべきである。