2012の5月1日。今日は、少し前までは働く者の祭典、メーデーの日だった。
昨日20120430 今度仕入れる横浜市旭区の中古住宅の庭に生っていた夏蜜柑を6個を貰って帰った。この中古住宅は空き家になっていた。此の頃、住宅街での空き家が目立つ。
しめしめ、これだけあれば、しばらくはビタミンCを楽しめるワイ、と満足だった。ところが、この夏蜜柑、採る時期を逸したようで、皮をむいて食ってみたら、房には水分がなくてカスカスだった。先住民は採り忘れ、食い忘れたようで、口卑(いや)しい私には考えられないことだ。自然の恵みをおろそかにしてはいけない。
だからと言って、この男、捨てるような奴ではない。
私が作り上げた、マーマレードだ
マーマレードを思いついたのだ。弊社の管理担当の荒波さんから、以前にマーマレードを貰ったことを思い出して作り方を聞いてみた。二人のそんなやりとりを傍で聞いていた中さんは、早速、インターネットで「マーマレードの作り方」を調べてくれた。
昔から、私の悪い癖なのだが、人の意見とかアドバイスを、素直にきちんと詳しく最後まで、聞くことができないのだ。大体、概要が把握できた程度で、もう人の話は耳には届かない。先ず、自分がやってみて、そこで、自分で考えて判断したいのだ。体育会の名残か。でも、結果において、もっと詳しく聞いておけばよかったのに、と後悔することの方が多い。今回も同じ轍(てつ)を踏むことになった。
ネットで知ったマーマレードの作り方は甘夏だったが、私が貰ってきたのは夏蜜柑だった。何も、そんなに変わりはないではないか、甘夏と夏蜜柑は従兄弟関係ぐらいの違いだろうが、出来上がりの風味は当然異なるだろう、ならば、使う砂糖の量は加減しなくてはイカンのだ。
4個の夏蜜柑を使った。表面の黄色い皮を、りんごの皮を剥(む)くようにして、剥いた。黄色い皮と中身の間にある白いふわふわした皮なのか層なのか、こいつは矢張り邪魔だろうと直感、取り込まなかった。これらと中身の房を細かく切って鍋に入れた。種を出した。
砂糖は、友人からもらった物を使った。北海道産のてんさい糖だ。忘れた頃にやってくる天災でも、アインシュタインのような天才でもないよ、この甜菜(てんさい)だ。自然でやさしい甘さ。おなかの中のビフィズス菌をふやすオリゴ糖が含まれています、と袋に書いてある。てんさいとは、どんな植物なのだろうか?砂糖大根とも言うの?
ユキヒラ鍋に細かく切った皮と中身と砂糖を適当に入れてホットプレートのスイッチをオンにした。そうしたら、5分も経たないうちに、水が滲(し)みだした。滲みだした水の量が多くて、これって、どうなるんじゃ?と不安になった。
それでも荒波さんからのアドバイス、じっくりたっぷりのんびり、時間をかけて煮るんですよ、と言われていた言葉が、焦(あせ)る私を勇気づけた。それにしても、水っけがなくなるまで随分時間はかかった。新聞2紙を飛び飛びで読みながら、コーヒーを飲んで、みのもんたの朝ズバを観て、大体40分はかかった。
てんさい糖は薄いこげ茶色をしているので、出来上がりは、イメージ通りの黄色ではなく濃い橙色になった。ネットでは、真剣に工夫を凝らす人たちの労作が盛り沢山だけれども、仕上がりをまあまあ普通に食える程度ぐらいに考えておれば、そんなに苦労なく創れるものだ。
出来上がりは、それはそれは、美味でござんした。