この稿の主題は、援助する国も援助を受ける国も、お金を大事にしよう、ということだ。
20130526、安倍晋三首相はミャンマーの首都ネピドーの大統領官邸でテイン・セイン大統領と会談した。日本が官民を挙げてインフラ整備や人材育成を支援することを盛り込んだ共同声明を発表した。
この新聞記事にある、同国向けの債権5000億円を全額返済免除し、910億円の政府開発援助(ODA)を今年度中に実施すると表明した、ことに関心を持った。この910億円の内訳は、麻生太郎副総理・財務・金融相が1月に510億円の円借款の再開を伝えたのに加え、無償資金協力で400億円を積み増したものだ。
このお金って誰のもの? 今回はふ~ん、そうなの、では済まされメえ。真面目に考えようとしたのだが、その手立てがない。誰か?賢人さん、私に教えて欲しい。
全額返済免除とは、文字通りに借金を棒引き(チャラ)にするということだろう。円借款とは、開発途上国の経済援助のために、日本政府が政府間の合意に基づいて行う円建ての長期(30年とか)低金利(1%とか)融資のことだと知ったが、今回は無償とある、金利はゼロということだろうか。
円借款は、深刻な電力不足を解消するためにヤンゴン都市圏の火力発電所・変電所を改修して出力の増強を図るほか、日本が主導して開発するティラワ経済特区の電力網や港湾の整備に充てる。そして、インド洋を臨むダウエーの世界有数の臨海工業地帯構想への参画を目指している。隣国タイもこの開発を強く望んでいる。
民主化を進めようとするミャンマーに電力や水道などに加え、法整備や人材育成などソフト面での支援も約束した。開発途上国に協力することは、でき得る限り行うことは結構なことだ。非民主化への後戻りはないだろうが、慎重にやってもらいたい。
アベノミクスの三本の矢の3本目=「民間投資を喚起する成長戦略」を発火させたい、援助から投資、又、南シナ海における安全保障問題など、安倍首相の狙いや意気込みは各種の報道からも手に取るように解るが、ここでだ、ここからが私にとって腑に落ちないこと、、、、安倍首相が威勢よく約束した債務免除5000億円、これからの910億円の無償円借款のお金は誰のもの?やはり、そこに私の疑問が戻ってくる。
その金は税金として国民や企業から徴収したものだろう。この金の使い方は、予算の範囲内なら時の政府の判断に委(ゆだ)ねられ、日本の国益を考えての施策なんだろう。
そうこうしていたら、援助の百花繚乱。20130529の新聞では、インドの最大都市ムンバイと工業都市アーメダバードを結ぶ高速鉄道が受注できる公算が高まってきたといって、円借款1017億円の供与を表明したことを知った。内訳は、ムンバイの地下鉄建設計画で710億円、インド工科大学ハイデラバード校の国際会議場の整備に177億円、タミルナド州政府に130億円、だってヨウ!
そして30日、アフリカの経済成長を支援するために、今後5年間で1兆数千億円の援助を拠出する。民間資金を加えて支援総額は、3兆円とする、とこれまた新聞で知った。
この巨額のODA資金に群がる日本の企業は、てぐすね引いて待ち構えているのだろう。どうか、日本も相手国も、お金を上手に使って欲しい。参加する企業を幅広く公募してはどうだろう。
ヤマオカ、お金は通貨というてなあ、通過するものや、自分のところで貯めておいたら腐るね、と言った40年来の友人がいる。だからといって、気楽に見過ごすわけにもイカン、サカイに。
生爪に火を点すかのように生きている私だ。