2019年2月17日日曜日

寛解(かんかい)とは

今、競泳界において、立派な実績を残し、且(かつ)これからという先に思わぬ病気になった選手がいる。
池谷璃花子(りかこ)さんのことだ。
並み居る優秀なアスリートのなかでも、私は何故かこの人を異常に愛してしまった。


この何週間前、強化合宿の名目で、豪州に派遣されていた池江璃花子さんが、体の調子が悪そうなことを担当の三木二郎コーチが察知し、病院に行ったところ、早く日本に帰って正確な診察を受けてくださいと言われ、日本の病院で診察された結果、彼女は白血病に罹っているとの診断が出た。
去年の12月頃から、体の不調を感じていた。
私の生半可な記憶で申し訳ないが、種目と競技距離の記憶もないが、ある大会で記録が4秒も遅くなっていた。
私には、そんなことって有りか? そんなことは絶対無いよと思った。
その大会はいつだったのか? きっとその辺りから体の変調があったのだろう。

今回は豪州での強化合宿でのこと。
豪州に行く前から体の不調は自覚していたようなのだ。
泳ぐと体が重たく感じ、特に肩の方から痛みを感じて、可笑しい、可笑しいと思ったと言っている。

この診断に関して、どれだけのファンや競泳界の仲間たちに与えたショックは大きいことだろう。
でも、そんな心配や激励のメッセージよりも、私を驚かされたのは、彼女の気力、意力の強さ、必ず戻ってきますとブログしたそのことに、私は異常な喜びを感じている。

国内のアスリートは言うまでも無く、俳優さんやそれ以外の職業の人たち、海外からの多数のアスリートから、励ましのメッセージが彼女に届けられている。
肩の部分が特に痛みを感じ、体の疲れが酷く感じるようになりましたと言うのは、あるアスリートが述べるに、彼女はいっつも限界まで張り詰めて闘っているので、自分の体の異変は感じられるのですよだった。

池江選手のこの白血病についてのテレビなどの報道で、時々使われる「寛解」とは、なんじゃと思った。
それなりに語句に関しては興味を持って生きてきた。
それにしても、この寛解はどういう意味なのだろうか、今まで聞いたことがないのだ。
その語句をネットで知って、我がボキャブラリーも値を高めたか!!


★寛解とは
デジタル大辞泉では。
[名](スル)病気の症状が、一時的あるいは継続的に軽減した状態。
または見かけ上消滅した状態。

癌(がん)白血病など、再発の危険性のある難治の病気治療で使われる語。
例えば、癌が縮小して症状が改善された状態を部分寛解、癌の症状がなくなり検査の数値も正常を示す状態を完全寛解という。


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白血病公表の池江璃花子「早期発見」報道に違和感を抱く専門医の重要な助言〈週刊朝日〉

2/17(日) 10:30配信
AERA dot.
 白血病を公表した競泳女子の池江璃花子選手。2月13日、自身のツイッターを更新し、「神様は乗り越えられない試練は与えない、自分に乗り越えられない壁はないと思っています」と率直な気持ちをつづった。

 12日、日本水泳連盟が緊急会見を開き、発覚までの経緯を説明。会見では「早期発見だった」と繰り返されたが、それに違和感を持ったのは元東京大学医科学研究所特任教授で、血液腫瘍内科医の医療ガバナンス研究所の上昌広理事長だ。

「白血病は血液のがんです。発見された時点でその血液は全身に回っている。早期発見だから進行していないので助かる、早期発見できなかったから進行していて手遅れだという考え方はしない。治療がうまくいくかどうかという予後に影響するのは、遺伝子や染色体の異常に基づく分類です」

 治療の成否という予後に加え、白血病の影響で怖いのは出血だという。血小板が減り、出血しやすくなり、一度出血すると血が止まりにくくなるのだ。脳出血すれば、突然死することもある。

 そこで気になるのが、1月13日に、都内の競技会で自身の日本記録から4秒遅れたことや、18日からのオーストラリア合宿中、肩で呼吸するような異変が見られたこと。

「白血病による貧血がかなり進んでいたと思われます。血小板も減っていたのでは。出血しなかったのは幸いでした」(上医師)

 こうしたことを踏まえ、上医師が指摘するのは、女性アスリートの定期的な血液検査の重要性だ。池江選手が定期的な血液検査を受けていたがどうかは不明だが、ヘモグロビン濃度をチェックしていれは、早い段階で病気の診断につながるという。早く診断できれば、出血のリスクを減らすことができる。

 日本水泳連盟に、アスリートへの検査はどのように実施しているのか質問したところ、「代表に選ばれた時には選手全員に血液検査などのメディカルチェックは行っていますが、それ以外にどのようなメディカルチェックを行っていたかはつかんでおりません」と返答。池江選手が代表に選ばれたのは昨年4月。以降は選手らに任されていたようだ。
「筋肉量の多いアスリートは貧血になりやすく、女性は生理があるのでなおさら。貧血はパフォーマンスにもダイレクトに影響するから、血液検査を定期的にすべきです」(上医師)

 池江選手の回復を祈るとともに、女性アスリートの健康問題にも光があたることを願いたい。


(本誌/上田耕司)

※週刊朝日 2019年3月1日号