先日(20190213)、私たち夫婦と三女の3人で昼飯のために、日本全国でいくつもあるフアミリーレストランに行った。
誰もが知っているレストランです。
前夜にそのレストランの中枢を果たす料理工場で、餃子をいかに大量に安価に製造できるか、それを見極めるような番組をやっていた。
直後、明日の昼飯はここのレストランだと決めてしまった。
妻が運転、後部乗車席に乗った三女が私に言い出した。
「今年の10月から、幼保は無償になるんだってね」
「我が家は、今年から幼稚園に上がるけれど、助かったわ」
こんなことを、三女は嬉しそうに話し出した。
何も知らない私は、へ~、あ、そ~、黙って聞き流した。
幼稚園の料金は、相当高いもので、低収入の娘夫婦にとって有り難い話だとおもった。
昼飯は私の小遣いの余り金で出費したものだから、車中は楽しく陽気に過ごせた。
こんなことも、小さな家族の小さな幸せ者たちには並々ならぬ小喜(こよろこ)びであった。
私の心の隅っこに「幼保の費用が無償」の言葉は残った。
そして翌日。
朝日新聞の記事に目を瞠った。
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幼保無償化 千行の韓国は
来日した研究者が現状報告
「必要な質の保証できていない」
10月から実施される見込みの幼児教育・保育の無償化法案が、今国会で審議されます。
実は韓国では7年前から無償化が始まっていますが、ここへきて廃止の議論も出ているといいます。
来日した韓国の研究者が、現状を報告しました。
「無償化で巨額の保育予算を使っているにもかかわらず、少子化が進んでいるという非難が、韓国社会の中で出てきています」。
1月27日東洋大で講演した韓国の白仙姫(ペクソンヒ)国立育児政策研究所長が現状を紹介すると、日本の官僚や研究者は聴き入った。
韓国は、超少子化に対する目玉政策として無償化を導入した。
結果、利用者が急増し、保護者への保育料補助にかかる予算が肥大化する一方、保育の中身や保育士に投資できなくなったとの指摘が、一部専門家から出ている。
白所長は、無償化後、保育所内の虐待が社会問題化し、背景に保育士の待遇の悪さが指摘されたことも紹介。
「必要な質の保証ができていない状態」と話した。
「保育士の待遇改善や給食の質の向上、7%しかない国公立保育所の増設に国はもっとお金を出すべきだと思うが、保護者に保育を無料で提供することを最優先にしている現状では、おろそかになる」とし、限りある予算の中で、保護者負担がないままでは質を保つことは難しいとの見方も示した。
さらに、韓国の昨年7~9月期の出生率は、世界でも最低水準の0・95まで低迷。
「無償化を廃止すべきだ」という声も出てきている。
白所長は「無償化で、所得が低くても利用できる人が、以前よりも増えたのも事実」と一定の効果を主張する一方、「無償化の開始は国公立の保育園や幼稚園をもっと確保し、質を向上させた後にすればよかったのでは」と振り返った、
会の主催メンバーの金子光一東洋大教授は、「無償化は基本的に望ましいものだが、日本でも優先順位を間違えて質を後回しにすれば、子どもの安全や健やかな育ちが脅かされかねない」と話す。
(田淵紫織)
幼保無償化
韓国では2012年、「無償保育」を導入し。
当初は子どもの年齢や保護者の所得で制限を設けていたが、19年から0~5歳児全員に対象を拡大。
自宅で子どもをみる専業主婦世帯にも手当てをだす。
日本では、主に3~5歳を対象とした無償化が始まる見込みだ。
無償化は先進国の潮流だが、半日分の幼児教育・保育料のみを対象とする国が多く、韓国や日本のように全日分を無料にするのは珍しい。