2012年11月7日水曜日

銀杏 その①

銀杏を作りに繁忙中だ。

銀杏 008

収穫直後のイチョウの実

 

弊社の経営責任者の中さんが、早朝5時頃、散歩やジョギングをしているときに、コースの道々に銀杏が落ちていることに気づいた、と私に話しかけた。

そう、そんなに落ちているの、と返答しながら、私は私で、今年は銀杏をどうしようかと考えていた。去年、仕事の都合で立ち寄った横須賀のJR田浦駅のロータリーで偶然拾ったイチョウの実は大きかった。が、沢山は拾えなかった。小さい実のものは会社のすぐ近くの帷子川沿いで幾らでも拾えるが、もう少し大きな実を拾いたかった。そんな場所さえ見つかれば、直ぐにでも、出動するつもりでいた。

そして数日後、ヤマオカさん、こんな実なんですがどうでしょう、と見せられたその実がどれほど価値のあるものかは、学習済みの私には、即、理解できた。お歳暮の時期にあわせて、銀杏作りをしよう、と中さんと合意した。二人は、お世話になっている人に年末のご挨拶に差し上げたいと思った。あなたが採って来てくれたら、後は俺に任せろ、銀杏については、中さんより一日の長がある。

問題は、果肉の中の銀杏を取り出しやすくするために水に浸け置くスペースの確保と発する臭いにどれだけ耐えられるかだ。露骨にウンコ臭に渋面するスタッフもいたが、スマン、悪いな、とその度に謝った。

それから、中さんは義弟と、たまには奥さんも交(まじ)えて、収穫作業を加速させた。義弟はスー君だ。彼は、奥さんの弟で家事の手伝いにフイリッピンから来ている。

毎日それなりの量が会社に持ち込まれた。初日は水を入れたバケツに浸(つ)けたが、持ち込まれる量が多くなってきたので、我がイーハトーブの果樹園に埋めることにした。昔、私がそのようにしていた。

それでも足りないので、思いついたのが子供のビニールプールに浸けることだった。物分りの早い中さんは、早速、自宅用のプールを持ってきたが、それにも直ぐにいっぱいになった。今度はビニールのゴミ袋に入れたまま水を注いだ。

収穫する方法にも日々、漸次、イノベーションが図られた。最初は通行人を装って、イチョウの樹の下や、垣根の中に顔を突っ込んで拾っては、小さなビニール袋に入れていた。

落ちている実が多くなってきたので、チリ取りやスコップのようなもので、ごそっと掬(すく)ったらどうだろう、とアドバイスした。が、これでは、玉石混淆。

そのうち、中さんは大きい実がなっている樹と小さい実がなっている樹があることに気づいた。そして生っている実を棒や竹竿のような物で叩き落としているオジサン、スー君がエネミー(敵)と叫ぶ敵を目撃、それからオジサンの手法を素直に見習った。落ちるのを待っていられない。この方が、良質の実を集中して採集できる。

落とした実を一つひとつ拾うのではなく、ビニールシーツを広げておいて、それをまとめて一網打尽(ちょっと違う、が)?に実を集めた。

次は棒で叩き落とすのではなく、樹に登って枝を手で揺らして落とした。落ちる前の良質な実だけを選んで収穫できた。それも、大量に。樹に登るのはスー君だ。木登りが上手い。

この収穫場所のことは、口が裂けても言えません。企業秘密ですから。良質な材料の仕入れの重要さに、業務上痛感させられている。

 

このように収穫された銀杏の運命は、第2弾にご期待してください。