名ばかりの日本のコミッショナーか。
20120630の朝日・朝刊・スポーツで、日本野球機構/日本プロフエッショナル野球機構(NPB)の加藤良三コミッショナーの記事を読んで、怒りを飛び越して呆然とした。
この人、自分がコミッショナーで、自分に課せられた任務を何と認識しているのだろうか?と疑いをもった。先日、週刊文春等で話題になったことについてだ。
記事は以下の通りだ=プロ野球、巨人の原辰徳監督(53)が過去の女性関係を理由に元暴力団組員らに1億円を要求され、支払っていた問題で、29日、巨人ー中日戦の前に原監督と会談した。コミッショナーは「私としては(この問題について)承知はもちろんしていますが、原監督には『野球に集中して頑張ってください』とお話しました」と語った。
うう~ん、ーーーーーなんだと!!
この記事を読んで、このコミッショナーは馬鹿か?と思った。女性関係で1億円を要求されて、1億円を支払ったことは巨人も、原監督も認めているが、両者は「支払った相手は反社会的勢力であるとの認識はなかった」ので、我々には、何の問題もありません。これをコミッショナーが追認してチャンチャン、と済ませようとしているのだろうか。
雑誌や新聞の報道によると、巨人や原監督が何と言おうが、支払った相手先二人はれっきとした元暴力団の組員だそうだ。だから、今回のようなコミッショナーの行動は、合点がいかない。
今、コミッショナーの取るべき行動は決まっている。先ずは直接監督に会う前に、真相を調査するための委員会を発足させることだ。
調査もしないで、原監督との面談で、いきなり、あの会話?
ところで、日本野球機構(NPB)のコミッショナーってどんな権限をもって、何をする人かを取り合えずネットで調べた=(Wikipedia)より。NPBにおける最高責任者であり、かつ最高の権限を有する。社団法人日本野球機構の会長でもある。日本のコミッショナーはアメリカのコミッショナー同様、オーナー等球団経営者の承認を受けて就任するものであるが、アメリカのコミッショナーが強い権限を持ち各球団を公平に扱うシステムが確立されているのに対し、日本の場合は最終決定権を持つオーナー会議の立会人という側面が強い。
なる程、歴代のコミッショナーの言動から、コミッショナーという役職がこの程度の立ち位置なら、目くじら立てて、血相を変えて、今回のことについても、イの一番に行動を起こすことはないだろうな、と失望した。が、これではいつまで経っても変わらない。お~い、コミッションー、覚醒しろ!
オーナーたちは、自分たちの会議で議論される内容に文句を言わない人をコミッショナーに選んできた。オーナー会議が最高議決機関にして、日本最大の発行部数を誇る新聞社やS鉄道、日本最大のリース会社などの、スポーを文化として理解できない連中が、自分たちの御都合主義だけで閉鎖的に運営してきた結果だ。日本相撲協会と何ら変わりない。
2004年のプロ野球再編問題の際に、コミッショナー事務局の責任の所在の曖昧さに加え、事態収拾能力の無さも露呈し批判を受けた。それでも、改革が進まない原因の一つに、読売巨人軍ナベツネ?を認めたり、擁護する勢力がある。
そして、今回の問題においても、やはり、コミッショナーの行動は旧来のまま、これじゃイカンのだ。NPBにおける最高責任者であり、かつ最高の権限を持っている。コミッショナー事務局は、システムの運営が健全に維持されるように、是々非々、管理、監督する。間違いが発覚したら正す。
今回の原監督の行動と巨人軍の認識は、日本プロ野球協約の第180条に十分抵触する。あらためてその条文を確認しておこう。
★180条(賭博行為の禁止及び暴力団員等との交際)
選手、監督、コーチ又は球団、この組織の役職員その他この組織に属する個人が次の行為をした場合、コミッショナーは該当する者を1年間の失格処分、又は無期の失格処分とする。
1 野球賭博常習者と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受し若しくは供与し、要求し、申込み又は約束すること。
2、 所属球団が直接関与しない試合、又は出場しない試合について賭けをすること。
3、暴力団、あるいは暴力団と関係が認められる団体の構成員又は関係者、その他の反社会的勢力(以下「暴力団員等」という。)と交際し、又は行動を共にし、これの者との間で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受又は供与し、要求又は申込み、約束すること。
これらから、今、コミッショナーが何をやらなければならないかは明白だ。前の方でも書いたが、調査して真実を明らかにすること、そして、野球協約に従うことだろう。
あれえ、これって、時効はあるのか?