2012年7月12日木曜日

ヒッグス粒子って、何よ?

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20120705の日経・朝刊

 

テレビも新聞も、ヒッグス粒子で大騒ぎだ。

だが、新聞の記事を一文字づつ吟味して読んでも、テレビの解説を目を皿のようにして、耳をダンボに、頭脳を澄ましても、私には、ほんの一部さえも、理解できない。チンプンカンプンなのだ。

全ての物質は、それ以上は分割できない17種類の素粒子で構成されていて、電子が1897年に、2000年までには16種類の存在が確認され、17番目が今回のヒッグス粒子らしい。

でも、いつまでも分からない解らないで、済ますわけにはいかないだろう。いつか賢い友人が私にもよく理解出来るように話してくれることを期待する。

ひとまず、20120705の日経・朝刊の記事の抜粋をマイファイルして、賢者の出現に備えるとしよう。

【ジュネーブ=藤田剛】欧州合同原子核研究機関(CERN)は4日、物の質量(重さ)の起源とされる「ヒッグス粒子」とみられる新しい粒子を発見したと発表した。2つの国際チームによる大型加速器を使った探索実験で、新粒子が99,9999%以上の確率で存在するとの結果を得た。年内にも、ヒッグス粒子と最終的に確認される公算が大きく、ノーベル賞級の発見となる。

 

CERNのホイヤー所長は同日、「ヒッグス粒子と(特徴が)合致する新粒子の発見に成功した」と述べた。新粒子がヒッグス粒子と確認されれば、宇宙の成り立ちの解明が大きく前進する。

実験したのは、東京大学など日本の16の大学・研究機関も参加する「アトラス」と、欧米の(CMS)の2チーム。

CERNによると、、今年6月までの実験で、両チームともヒッグス粒子とみられる新粒子が存在する確率が99,9999%以上になった。昨年末の段階ではアトラスは約98,9%、CMSは約97%の確率で、「発見の可能性が高まった」としている。99,9999%という確率は物理学の世界での「発見」に相当するが、新粒子が予言されているヒッグス粒子とどこまで一致しているかを確認するため、今年いっぱい実験で詰める。

新粒子の重さは陽子の120倍と、これまで発見された素粒子(物質の最小単位)の中で比較的重かった。

宇宙の始まりである137億年前の「ビッグバン(大爆発)」で生まれた素粒子は、最初は質量を持たず光速で自由に飛び回っていた。ビッグバンの100億分の1秒後にヒッグス粒子が生まれて宇宙を満たしたため、素粒子は動きにくくなり、質量が備わったとされる。

実験では一周27キロの円形加速器で陽子同士を光速近くで衝突させ、ビッグバンを再現。ヒッグス粒子は瞬く間にほかの粒子に変化してしまうため、飛び散った粒子の中からヒッグス粒子の痕跡を集め、存在する確率を割り出していた。

▼ヒッグス粒子とは=どんなものも、どんどん細かくしていくと、最後はもう分割できない基本の粒(素粒子)にたどり着く。ヒッグス粒子はそのうちの一つで、1964年にピーター・ヒッグス英エディンバラ大学名誉教授が存在を予言した。ほかの素粒子が実験で次々と見つかる中、本当に存在するのか立証できていなかった。

ほかの素粒子のように物質を構成するのではなく、質量を与える役目を果たしたと考えられている。存在しなければ、あらゆるものが光速で飛んでしまい、宇宙の成り立ちが説明できない。欧米では「神の粒子」とも呼ばれている。

 

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20120707

朝日・朝刊

天声人語

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ペルーの世界遺産「ナスカの地上絵」は、遊覧飛行で眺めるほかない。人の目の高さから浅い溝が走るだけで、何を描いたものか分からないそうだ。世には大きすぎて見えないものがある。

万物に質量を授けるヒッグス粒子が見つかったと聞いて、ついにやったかと感涙にむせぶ人は珍しい。「世紀の大発見」はえてして我らの理解を超え、その大きさを知るのは、後世になる。

英国のヒッグス博士(83)が半世紀前に予言したこの粒子。宇宙誕生の瞬間、好きに飛び回る他の素粒子に水あめのように絡み、全体を落ち着かせたとされる。その動きにくさこそが質量だ。鈍重になった素粒子たちは寄り集まり水素などの原子、星や生命を生んでいく。

世界の物理学者は、欧州の巨大加速器でヒッグス粒子を探してきた。

天地創造に迫る旅である。彼らは「99,9999%以上の確率」でそれらしき粒子を見つけたという。あると予測された17の素粒子はひと通り確認されたことになる。

ただ、果てしなき時空を究める上で、この発見は始まりにすぎないらしい。地上絵でいえば、溝の何本かは見つけたが、空から全体像を眺めた者がいない段階か。宇宙の大方は未知に「暗黒」が占めるとされる。探求の旅に終わりはない。

ビッグバンから137億年、まさか「作品」の一つが正体に肉薄してくるのは、「神の粒子」もびっくりだろう。こよい七夕の銀河を思い浮かべて、人類もやるもんだと杯を重ねるのもいい。つまみは粒ウニか何かで。

 

20120706 日経・朝刊の春秋に、このようにも書かれていたが、それでも、私、解ったような?、分らないような?

宇宙が生まれた直後に万物に質量(重さ)をもたらしたというヒッグス粒子の役割がピンとこない。「人気者のあなたはパーテイーで大勢の人に囲まれ、動けない。取り囲む人がヒッグス粒子、動きにくさを質量と考えてください」。そんな例えもあるそうだ。分かったようなわからないようなーーーーー。