20120704 水曜日は営業部の定休日だ。
紫蘇
朝一番、会社で今抱えている鶴見の件を早々に済ませて、我がイーハトーブの果樹園で、キュウリとサラダ菜を収穫して、友人が耕作している畑に向かった。農婦の野良仕事のお手伝いだ。
畑は横浜市泉区深谷の通信隊の道路を隔てた向かい側の市民農園だ。
先日の台風で緩んだり傾いたキュウリの支柱を元通りにした。積み上げておいた牛糞と収穫を終えた苺の茎と葉を採集して混ぜた。苺のあと地を耕した。ゴウヤのネットを張り足した。農婦は、男手(おとこで)に段取りよく指示する。女手(おんなで)で無理な仕事を優先した。
ここにいると、私はいつも不思議な気分になる。50余年も前のこと、生まれ故郷の田畑で、農作業をする父(お父ちゃん)や母(お母ちゃん)、祖母(おばあちゃん)のそばで、遊んで過ごした子供の頃のことを、ぼんやりと思い出されるのだ。生まれ故郷と此処とは、600キロも離れているというのに、故郷の土の匂い、草や樹木、野菜たちの息を感じるのだ。風さえも、その香りが懐かしい。
腰を曲げての作業も、汗が額や頬から流れるのも、嬉しいのだ。
この農婦のところには、周辺の畑の耕作人のおじさん、おばさんが、自分たちの作物を持ってくる。情報交換にやってくる。市民農園のマドンナだ。
彼女は、私の労務のお返しに、感謝の言葉に添えて、毎回、採りたての作物をくれる。今回は、タマネギ10個、キュウリ2本、キャベツ1個、人参数本?をくれた。ヤマオカさん、紫蘇ジュースを作る?と聞かれて、難しいようなら要らないけれど、一体、どうして作るのよ?と聞き返した。
紫蘇ジュースは、紫蘇を10分間煮て、煮汁を絞ればいいだけのことよ、クエン酸とか砂糖を混ぜて煮る人もいるが、私は何も入れません、と農婦の健康レシピ。
これなら、私にもできるだろうと判断、勢いよくクダサイ、と叫んだ。
野菜と一抱えの紫蘇を持ち帰り、葉を茎からとって鍋に入れて、スウッチ・オン。農婦の指示通り、10~15分間煮た。翌朝、冷めた紫蘇を絞って、ペットボトルに詰めた。手のひらで固く握りしめて絞った。濾した方がいいのだろうが。
今夜は、その紫蘇ジュースをいただくことにする。私は、焼酎のお湯割りに入れて飲んでみようと思っているが、どうだろう?
彼女の名誉のために一言、、、彼女を農婦と表現しているが、その通り、賢くて、生真面目で、立派な女性です。私の数少な女友だちの一人だ。