2012年7月22日日曜日

日米野球不平等条約だ

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20120721 朝日・朝刊・社会

会見でWBC不参加を表明する新井貴浩選手会会長(右から2人目)ら=日刊スポーツ

 

内容の嘘っぽいワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に労組日本プロ野球選手会は参加しないことを、全会一致で決議した。よかったと思う。当然だと思う。

この大会がスタートする前に、大会の趣旨を主催側からきちんと説明があったのだろうか。過ちは、アメリカからの持ちかけに理解しないまま参加したことに始まる。日本野球機構(NPB)はマンマとアメリカにのせられたのだ。この大会は、FIFAサッカーワールドカップ(W杯)のように、世界一を真に競う大会ではないのに、あたかも世界一を競うような大会名を振りかざされた、これに騙された。日本野球機構(NPB)事務局の生半可な理解で話は進んだ。読売新聞系は異常にはしゃいでいた。出場資格国や予選方法、その他をアメリカが一方的に決めてスタートしてしまった。正直者の日本は、考えられる限りのベストメンバーで臨んだが、アメリカチームはそうではなかった。二番手、三番手の選手で編成されていた。

米大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が出資して作った運営会社を利用して、シーズンオフに、日本野球を餌にサイドビジネスに走っているだけのことだ。根はここにある。利益の配分が余りにも不公平な内容になっているのも大いに不満だ。日米野球不平等条約にいつまでも易々(やすやす)と付き合えるか。これらは、前回の開催中に指摘され問題化していたにもかかわらず、顧みず、改善の要求もせず、労組日本プロ野球選手会の了解抜きで、参加することを決めたとしたら、選手会が怒るのは当たり前のことだ。

根が真面目な日本代表チームは、やるときには、やる。本大会では、真剣に戦って過去2回行われて連覇した。そして、日本国中盛り上がった。が、それは空花(あだばな)だったことに、選手たちは気づいた。喜んでいたのは、特定の商売人だけだった。

オーナー会議に列席する精神の貧困な連中は、野球文化を高めるどころか、華を萎(しぼ)めることしかできない。悲しいけれど、日本の球界をこんなオーナー会議がリードしている。例えば、陰のオーナー・ナベツネなどは話題づくりをして、自社の新聞をちょっとでも多く売ることしか考えていない。崇高なスポーツのスも理解していない。加藤良三コミッショナーは幽霊だから、イザと言うときにいつも消えていく。当てにならない男だ。選手会の怒りは、このように選手やファンのことを考慮しないオーナー会議やコミッショナーにあることを、早く、あなた方は気づきなさいよ、だ。

選手たちは本当の意味での世界大会を望んでいる。

NPBやコミッショナーが、参加するように説得するとあるが、その前にやらなくてはならないのは、不平等条約の改訂か解消だよ。

この大会に参加するのがいいのか、辞退した方がいいのか、選手会は随分苦しい選択だったと推量する。だが、心配は無用だ、ファンは選手会の決議を断固支持する。私も支持する。球団の編成問題が発生した時も、選手会の意向は多くのファンに支持され、結果、選手会の望む通りに収まった。

今は野球に関心が薄れてしまったが、新聞のスポーツ欄で在阪球団の活躍の記事だけを追っていた時のお馴染みの新井貴浩(阪神)が選手会会長だ。頑張ってや!! 今こそ、アメリカから投げられた球を、「空に向かって打ち」返してくれ!!

 

20120721の朝日・朝刊の記事から。

社会面。

労組日本プロ野球選手会は20日、大阪市内で臨時大会を開き、来年3月に開催予定の第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)への不参加を決議した。日本野球機構(NPB)は昨年12月のオーナー会議でWBC参加を決めているが、選手会が不参加を表明したことで、日本の出場は現時点では難しい状況になった。

米大リーグ機構(MLB)と大リーグ選手会が出資して作った運営会社で、大会主催者のWBCIが、参加チームのスポンサー料やグッズのライセンス料をすべて吸い上げる大会構造について、プロ野球選手会は一貫して反発していた。第3回大会へ向けて、選手会は昨年7月、スポンサー料などの日本代表への帰属をWBCIに要求し、条件が見直されなければWBCへ参加しないことを表明。その後もWBCIから具体的な返答がなかったため、今回の議決に踏み切ったという。

選手会の新井貴浩会長(阪神)は「5年後、10年後の野球界のためを考えての、苦渋の選択だった。全会一致で決議した」と語った。

一方、NPBは近く選手会と話し合い、参加するよう説得する方針。

 

スポーツ面。

選手会がついに最後のカードを切った。不参加は野球ファンの失望を招く危険を伴うだけに、極めて重い決断といえる。

「WBCはファンも楽しみにしていたし、選手も楽しみにしていた」と新井会長。それでも不参加を決めたのは、「参加国の権利を犠牲に運営される大会で、このまま参加することは将来の日本の野球に負の遺産を残す」という理由だ。

WBCの実態は大リーグによる「招待試合」。大会収入の半分以上は、「日本マネー」といわれるが、利益の66%を大リーグ側が独占し、日本野球機構(NPB)への配分は13%しかない。

NPBは「現実路線」で、侍ジャパンの常設化で新たなビジネスを模索している。その成果をもとにNPBは選手会の説得に動く方針だが、現状では難しいとみられる。選手会の示す参加条件は、WBCIが代表チームの権利を各参加国に戻すこと。もしこの点が見直される可能性があれば、日本が参加する道は残されている。選手会関係者も、交渉の余地がまだあることを否定していない。

WBCIが選手会の主張をすんなり受け入れるとは思えないが、日本からの収入を大きな柱としていることも事実。第3回大会では1次ラウンドに加えて、2次ラウンド2組のうち1組分が日本で開催される予定だ。日本が不参加となれば大会への影響は計り知れない。昨年、WBCI首脳は「仮に日本が参加しなくても、大会は予定通り開催する」と話したが、現状をどう判断するか。選手会が強気に出られる理由もまた、このいびつな運営構造にある。

(吉村良二)